スモーキン辛辣メイドの日常2【イラスト紹介】

武器を持ったメイドのフリーイラスト

イラストタイトル/お還りなさいませ御主人様。

「回転式拳銃の弾倉には一発だけ、誰もが喜ぶ贈り物が入っている」

彼女発案の「逃れられない1人ロシアンルーレット」は、実弾ではなく「贈り物」と「はずれ」が1発ずつ入っており、男がどちらかを当てるまで1人で引き続けるという特殊な条件の下、淡々と進められた。

回転式拳銃の弾倉は6発。

男は引き金を引く。
1発、2発。
3発、4発。
撃鉄の叩く音だけが鳴り響く。

5発目を引く前に男の脳によぎる。

「贈り物」と「はずれ」が本当に実弾ではない確証はない。
だがこのロシアンルーレットから逃れる術もない。

男は額の油汗を拭った。いつもよりもベタついた、心地の悪い空気。

覚悟、とは違うある種のあきらめに近い感情のまま、男は引き金を引いた。

パン!

銃身から出たのは実弾ではなく「HAPPY BIRTHDAY」と書かれた小さな紙だった。

先週誕生日を迎えていた男はほっと、胸を撫で下ろし彼女がただお祝いをしたかっただけで本当は祝いの言葉を贈りたかっただけなんだと安堵する。
ゲームは終わった。男は椅子から立ち上がる。
彼女は聞こえるか聞こえないかくらいの声で言う。

「残念ね。次が贈り物だったのに。」

男は血の気が引くのを感じた。

スモーキン辛辣メイドの日常【イラスト紹介】

煙草を吸うメイドのフリーイラスト

ポールモールを自前のポーチに入れた後、街の西側に2km行ったところにある煙草屋から屋敷に歩き出す。
スコッチエッグとヨークシャープディングの材料も買ったが、それはついでだった。
オーダーメイドの特注の品を取りに彼女は店に立ち寄る。

「こんな物なにに使うんだい?」
店主の質問に答えず店を出る。
ドアを閉める間際、届くか届かないかくらいの声で、

「いつでもトドメをさせるように」

ヨークの街は今日も平和だった。

しめやかにディスるスモーキン辛辣メイド【イラスト紹介】

辛辣なメイド/逝ってらっしゃいませ御主人様のフリーイラスト

イラストタイトル/逝ってらっしゃいませ御主人様。

お還りなさいませ御主人様。
お食事になさいますか?
ご入浴なさいますか?
それとも、もう永眠(おねむり)になりますか?

ブルースモークと赤い瞳。ブラックブリムの寂しげな黒はまるで喪服のそれだった。
マゾポイントに極振りして超絶限界突破したドMな御主人様なら、
彼女のワードエッセンスの数々は宝の山なのではないだろうか。