白雪姫は眠らない【イラスト紹介】

イラストタイトル/スノーホワイトシンドローム。

バート・ヴィルドゥンゲンの森の最奥に位置する廃村の、グレーがかった色の屋根が特徴的な家でその式は開かれた。

棺桶を中央に左右対称に飾られた装飾の数々に小人たちは歓喜した。飾られた装飾とは裏腹に床は散らかっていたが、小人たちは気にせず歓喜した。
踊る小人たち。

小人たちの背後には喪服で黒く塗り揃えられた人間たち。
困惑と焦燥と疑念の狂騒。
なぜならこれは白雪姫の葬式だ。

「何故彼らはそんなに呑気にしていられるのか」

毒のリンゴを開発して白雪姫の継母に手渡した人物は、この異様な光景に恐怖すら覚えた。この小人たちは狂っているのか?継母の姿も見えないがどこに行ったと言うのだ?

小人のハッピーは言った。
「何故かって?面白いこと聞くなぁ、へへへ」
小人のグランビーは言った。
「は?まだわからねぇってのかよ、お前」
小人のスリーピーは言った。
「眠いからさ、もう言っていいんじゃない?ふぁあ」
小人のスニージーは言った。
「へっぶし!え?」
小人のドーピーは言った。
「今日はクラムチャウダーにしようかなぁ、ううん」
小人のバッシュフルは言った。
「もう帰りたいよ..」
小人のドクは言った。
「つまりは、こういうことです」

小人のドクがそう言った次の瞬間、中央に位置する棺桶の蓋が突然開いた。
横になりながら毒のはずのリンゴをほおばる白雪姫は言った。
「もう飽きた。この茶番ももう終わり。」

世界で一番クレイジーな葬式は終わった。


この構図は割りと気に入ってるイラストなんですよね~。
グリム童話シリーズの中で1番くらいに気に入ってますね。
色合いが結構ダークネスな色合いで、ノーコピーライトガールの中でも珍しく若干ホラー感のある特徴の絵。
原作であるグリム童話の白雪姫が割りと残酷ということで、ちょっとだけ怖い感じだしてみました。
白雪姫と一緒に棺桶に入れられているのはキスツス・アルビドゥスの花。
花言葉は「私は明日死ぬだろう」。
ちょっと怖いですね~、花言葉でもちょっと怖いやつとか結構あるみたいですよ。

グリム童話シリーズはまだ描きたいんですが、次はいつになるかな~